パターン3

3つめのパターンは日本において他社で働いていた人材を受け入れる場合です。

 

すでに日本の他社において就労していた人材を受け入れる場合、注意点がいくつかあります。

 

その外国人が担当する業務が、その在留資格の該当性にマッチするかどうかというのが、第1のポイントです。

例えば、先月までレストランでコックとして働いていた中国人を、そのままの在留資格にて貿易業務で働かせるようなことはできません。

ただし、この中国人が永住権を持っているとか、永住者の配偶者や日本人の配偶者といった身分系の在留資格を持っているのであれば、就労に制限がないので、このような転職をしたとしても在留資格の問題は生じません。

 

実際は「技能」という名称の在留資格を持って活動するのがコックの場合の原則ですから、通常「技術・人文知識・国際業務」という名称の在留資格を必要とする貿易業務を展開する企業で受け入れる事は、不可能です。

 

実務上、在留資格の知識を持っていない人事担当者が、勘違いで有効期限のある在留資格であれば何でもいいと思ってしまうと、入管法に違反した状態で、外国人を雇用することになってしまいます。

 

もし、すでに他社勤務を経験している場合で、かつその人材が日本に住んでいるケースでは、有効な在留資格をもっている可能性が高いです。この場合は、在留カードを確認することにより、その外国人が有効な在留資格を持っているか、いつまで日本にいることのできる許可を得ていrのかを確認する事ができます。

 

他社で勤務していた人材が、自社で働いても問題がないかどうかの確認は、「就労資格証明書交付申請」の手続きを出入国在留管理庁で行うことで確認が可能です。

 

この証明書は、外国人が自社で働いても問題がないという在留資格の適合性を証明してくれるものです。

例えば、A社で貿易業務に従事していたXさん(技術・人文知識・国際業務)がB社で同じく貿易業務をする事について問題がないかについて審査されるもので、本人と会社の業務内容と財務内容等が審査の対象になります。

 

新しくXさんを採用するB社のほうが、小規模で、安定性がなく、赤字体質で、給与水準も極端に低い等の悪条件が重なると許可が下りず、Xさんは日本で働くことができなくなる可能性があります。