住宅宿泊管理業務の定義

①住宅宿泊事業の適切な実施のために必要な届出住宅の維持保全について

・住宅宿泊事業は人が居住し日常生活を営む空間に人を宿泊させるものであり、その適切な実施のために必要な届出住宅の維持保全として、人が居住しに日上生活を営むために必要な機能を維持する必要がある。具体的には、届出住宅に設ける必要がある台所、浴室、便所、洗面設備が正常に機能するものであるほか、人が日常生活を営む上で最低限必要な水道や電気などのライフライン、ドアやサッシ等の届出住宅の設備が正常に機能するよう保全することが必要である。また、空室時における施錠の確保や、住宅又は居室の鍵の管理も届出住宅の維持保全に含まれる。

 

②宿泊者の退室後の状況確認等について

・宿泊者の退室後の届出住宅については、住宅及び設備の破損の有無や、宿泊者の遺失物の有無等について確認し、宿泊前の状態と大きな乖離がないよう維持することが必要である。

住宅宿泊管理業の定義

①「住宅宿泊管理業」について

・住宅宿泊管理業を社会通念上事業の遂行とみることができる程度に行う状態を指すものであり、その判断は、次の事業性の有無を参考に諸要因を勘案して総合的に行われるものとする。

【事業性の有無」

 

反復継続性の如何を問わず、一回限りとして住宅宿泊事業者から委託を受ける場合でも事業性が認められるため住宅宿泊管理業に該当する。なお、報酬を得ずに住宅宿泊管理業務を行う場合は、住宅宿泊管理業には該当しないが,金銭以外の形で実質的に対価を得る場合に羽該当し得る。

 

② 住宅宿泊管理業に該当しない場合について

 

・住宅宿泊事業者から法第11条第1項に基づく委託を受けた住宅宿泊管理業者から再委託を受けて住宅宿泊管理業務の一部の事実行為を行う場合には,住宅宿泊管理業には該当しない。また、住宅宿泊事業者が届出住宅に不在とならない場合等法第11条1項に基づく住宅宿泊管理業務の委託が必要とならない場合であって、届出住宅の清掃等の住宅宿泊管理業務の一部を住宅宿泊事業者の責任の下において他社に委託する場合には、その委託された者は、法第2条第7項に規定する住宅宿泊管理業者には該当しない。ただし、これらの行為を法第22条第1項の登録を受けた住宅宿泊管理業者が行う場合であって、「それらの行為によって住宅宿泊管理業の適正な運営の確保に使用を生ずるような場合には、法第41条の住宅宿泊管理業者に対する業務改善命令の対象となり得る。

 

 

住宅宿泊管理業者とは?

 

 

住宅宿泊管理業とは

住宅宿泊事業者から、法第11条第1項に規定する委託を受けて、報酬を得て、住宅宿泊管理業務を行う事業をいいます。住宅宿泊管理業務とは、法第5条から第10条までの規定による業務及び住宅宿泊事業の適切な実施のために必要な届出住宅の維持保全に関する業務をいいます。

住宅宿泊管理業者とは

登録を受けて住宅宿泊管理業を営む者をいいます。

事業を開始するためには?

 

登録を受ける

住宅宿泊管理業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受ける必要があります。住宅宿泊管理業の登録の申請の際には、住宅宿泊管理業者登録申請書に必要事項を記載し、法第25条第1項各号に規定する欠格要件に該当しないことの誓約書等を添付して提出する必要があります。
また、登録は5年ごとにその更新を受ける必要があります。

住宅宿泊管理業者の業務

住宅宿泊管理業者は、住宅宿泊管理業の適正な遂行のために主に下記の措置等をとる必要があります。

 

(1)誇大な広告の禁止について

業務に関して広告をするときは、以下の事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはいけません。

・住宅宿泊管理業者の責任に関する事項
・報酬の額に関する事項
・管理受託契約の解除に関する事項

(2)不当な勧誘等の禁止について

住宅宿泊管理業においては、管理受託契約に関する事項に係る不実告知及び委託者の保護に欠ける以下の行為を禁止しています。

・委託者が迷惑を覚えさせるような時間に電話又は訪問により勧誘する行為
・委託者が契約の締結又は更新を行わない意思を示したにもかかわらず執拗に勧誘する行為
・届出住宅の所在地その他の事情を勘案して、住宅宿泊管理業務の適切な実施を確保できないことが明らかであるにもかかわらず、管理受託契約を締結する行為

(3)管理受託契約の締結前及び締結時の書面の交付について

管理受託契約の締結に当たって締結前及び締結時に委託者に対し必要事項を記載した書面を交付することを義務付けています。

<締結前の書面への主な記載事項>
・住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名並びに登録年月日及び登録番号
・住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅
・住宅宿泊管理業務の内容及び実施方法
・報酬並びにその支払の時期及び方法      等

<締結時の書面への主な記載事項>
・締結前の書面への記載事項に加え、法第40条の規定による住宅宿泊事業者への報告に関する事項

 

 

(4)住宅宿泊管理業務の再委託の禁止について

住宅宿泊管理業者は、住宅宿泊事業者から委託された住宅宿泊管理業務の全部を他の者に対し、再委託してはいけません。

 

(5)住宅宿泊管理業務の実施について

住宅宿泊事業者から住宅宿泊管理業者へ住宅宿泊管理業務の委託がなされた場合、法第5条から第10条の規定(※)はその委託を受けた住宅宿泊管理業者に準用され、住宅宿泊管理業者の責任の下で住宅宿泊管理業務を行うこととなります。

<※法第5条から第10条の規定>
・宿泊者の衛生の確保
・宿泊者の安全の確保
・外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保
・宿泊者名簿の備付け等
・周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明
・苦情等への対応

(6)証明書の携帯等について

住宅宿泊管理業者は、従業者(再委託契約に基づき住宅宿泊管理業務の一部の再委託を受ける者を含みます。)様式には、従業者の氏名や勤務する営業所又は事務所の所在地、住宅宿泊管理業者の登録番号等を記載します。

 

(7)帳簿の備付け等について

住宅宿泊管理業者は、営業所又は事務所ごとに業務に関する帳簿を備え付け、管理受託契約を締結した届出住宅ごとにその管理受託契約の締結日や受託した住宅宿泊管理業務の内容等を記載したものを、各事業年度の末日をもって閉鎖し、閉鎖後5年間保存する必要があります。

 

(8)標識の掲示について

適切な登録を受けた業者であることを外形的に明らかにする必要があるため、登録を受けた営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める様式の標識を掲げる必要があります。

 

(9)住宅宿泊事業者への定期報告について

管理受託契約を締結した住宅宿泊事業者に対し、届出住宅の管理状況等について、住宅宿泊事業者の事業年度終了後及び管理受託契約の期間の満了後に報告を行う必要があります。