こんにちは。行政書士の松尾です。
日本の深刻な人手不足を背景に、外国人材の受け入れを目的とする「特定技能」制度に、2024年(令和6年)6月より新たに4分野が追加されました。これにより、対象業種の企業は、制度を活用して即戦力となる外国人を雇用できるチャンスが広がります。
1.新たに追加された4分野の概要
今回新たに「特定技能」の対象となったのは、以下の4分野です。
分野名 | 主な対象職種(例) |
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自動車運送業 | トラックドライバー、バス運転手 |
鉄道 | 駅係員、車両・施設の保守スタッフ |
林業 | 伐採、造林、育林作業員など |
木材産業 | 製材、木材加工、乾燥・処理作業など |
これらは、いずれも日本人労働者の確保が困難であり、現場の担い手が不足している重要な産業分野です。
2.いつから適用される?
新4分野については、2024年6月24日付で制度の運用が開始されました。すでに、法務省・出入国在留管理庁を通じて、受入れに関する要件や試験制度の整備が進められており、一部の職種ではすでに試験や申請が始まっています。
なお、既存の12分野(例:外食業、介護、建設、農業など)に加えて、今回の4分野が加わり、合計16分野が特定技能の対象となりました。
3.どのような企業にとって有効か?
以下のような企業にとって、特定技能ビザの活用は非常に有効です。
● 自動車運送業
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トラックドライバー不足に悩む運送会社
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高齢化が進み、若年層の確保が難しい地方の物流企業
● 鉄道
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地方私鉄や第三セクターなど、採用活動が困難な鉄道事業者
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駅係員・保守担当者の定着に課題がある鉄道関連会社
● 林業
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人手不足により伐採・育林が進まない山間地域の事業体
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技術継承や労働災害対策に悩む森林組合・林業会社
● 木材産業
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製材や加工ラインの担い手不足に直面する製造業者
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地元の建材需要に応えきれず、納期遅れが続いている企業
特定技能制度を活用すれば、一定の日本語能力と業務知識を有する外国人材を、最長5年間(※一部分野では永続的な就労も可能)雇用することができます。
まとめ
今後ますます拡大が見込まれる特定技能制度。今回の4分野の追加により、日本社会のインフラや一次産業を支える分野での外国人活用がさらに進むと期待されています。これを機に、該当業種の企業様は自社の人材戦略に制度を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
特定技能制度は、企業にとって労働力確保の重要な手段である一方、法令遵守や支援体制の整備が求められる制度です。行政書士として、制度導入の初期段階から外国人雇用の運用まで、企業の皆様に寄り添いながら、確実かつ円滑な導入をサポートいたします。
制度の導入をお考えの企業様は、まずはお気軽にご相談ください。