建築基準法の改正について

民泊に好材料!建築基準法の改正について

建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について

最終更新日 平成30年9月25日


 最近の大規模火災をめぐる状況や防火関連の技術開発をめぐる状況等を踏まえ、建築物・市街地の安全性の確保、既存建築ストックの活用、木造建築物の整備の推進などの社会的要請等に対応して規制を見直しました。
 

 

概要等

1.背景
 最近の大規模火災を踏まえ、老朽化した木造建築物の建替え等による市街地の安全性の向上や、建築物の適切な維持管理による建築物の安全性の確保を円滑に進めることなどが課題となっています。
 また、空き家が増加傾向にある中で、住宅をそれ以外の用途に変更して活用することが求められており、建築行政においても、安全性の確保と既存建築ストックの有効活用を両立しつつ、建築規制を合理化していく必要があります。
 さらに、木材を建築材料として活用することで循環型社会の形成や国土の保全、地域経済の活性化に貢献することが期待されており、近年の技術開発も踏まえ、建築物の木造・木質化に資するよう、建築基準の合理化が求められています。

2.概要
 (1) 建築物・市街地の安全性の確保
    [1]   建築物を常時適法に維持するための維持保全計画の作成等が求められる建築物の範囲を拡大
    [2]   防火地域・準防火地域※1において延焼防止性能の高い建築物の建ぺい率※2制限を10%緩和   等
            ※1  防火地域・準防火地域:市街地における火災の危険を防除するために定める地域
            ※2  建ぺい率:建築物の建築面積の敷地面積に対する割合
  (2) 既存建築ストックの活用
   [1]   戸建住宅等(延べ面積200㎡未満かつ3階建て以下)を他の用途とする場合に、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等とすることを不要とする
   [2]   用途変更に伴って建築確認が必要となる規模の見直し                                                                                               等
  (3) 木造建築物の整備の推進
   [1]   耐火構造等とすべき木造建築物の対象の見直し(高さ13m・軒高9m超 →高さ16m超・階数4 以上)
   [2]   [1]の規制を受ける場合についても、木材をそのまま見せる(あらわし)等の耐火構造以外の構造を可能とするよう基準を見直し 等
  (4) その他
   [1]   老人ホーム等に係る容積率制限を緩和(共用廊下等を算定基礎となる床面積から除外)
            ※  容積率:建築物の延べ面積(床面積の合計)の敷地面積に対する割合
   [2]   興行場等の仮設建築物の存続期間(現行1年)の延長                                               等

建築基準法の一部を改正する法律案

背景・必要性

 

法案の概要

 

【目標・効果】
①既存建築物の適切な維持保全・改修等を通じた、建築物の安全性の確保及び密集市街地の解消の実現。
②古民家の商業的利用や、空き家等のグループホーム・保育所としての活用といった既存建築物の活用等による経済活性化。
(KPI)①地震時等に著しく危険な密集市街地の面積4,039ha(H28)→ おおむね解消(H32)
②賃貸・売却用等以外の「その他空き家」数318万戸(H25)→ 400万戸程度におさえる(H37)

 

 

<その他>
○ 老人ホーム等の共用の廊下や階段について、共同住宅と同様に、容積率の算定基礎となる床面積から除外
○ 興行場等の仮設建築物の存続期間(現行1年)の延長等○ 用途制限等に係る特例許可手続の簡素化等
○ 空き家の総数は、この20年で1.8倍に増加しており、用途変更等による利活用が
極めて重要。
○ 一方で、その活用に当たっては、建築基準法に適合させるために、大規模な工
事が必要となる場合があることが課題。
「未来投資戦略」(平成29年6月9日閣議決定)
第2 Ⅰ. 8.既存住宅流通・リフォーム市場を中心とした住宅市場の活性化
・古民家の商業的利用や、空き家等のグループホーム・保育所としての活用といった新たなニーズに対応する
べく、既存建築物を他用途に円滑に転用等するための建築規制の合理化を行う。
② 既存建築ストックの活用
○ 糸魚川市大規模火災(H28.12)や埼玉県三芳町倉庫火災(H29.2)などの大規模火
災による甚大な被害の発生を踏まえ、建築物の適切な維持保全・改修等により、
建築物の安全性の確保を図ることや、密集市街地の解消を進めることが課題。

 

 

① 建築物・市街地の安全性の確保
既存建築ストックの活用
○ 維持保全計画の作成等が求められる建築物の範囲を拡大(大規模倉庫等を想定)。
○ 既存不適格建築物の所有者等に対する特定行政庁による指導及び助言の創設。
○ 防火地域・準防火地域内において、延焼防止性能の高い建築物の建蔽率を10%緩和。
維持保全計画に基づく適切な維持保全の促進等により、建築物の更なる安全性の確保を図るとともに、
防火改修・建替え等を通じた市街地の安全性の確保を実現。
安全性の確保
建築物・市街地の安全性の確保
③ 木造建築を巡る多様なニーズへの対応

 

 

○ 必要な性能を有する木造建築物の整備の円滑化を通じて、木造に対する多様な
消費者ニーズへの対応、地域資源を活用した地域振興を図ることが必要。
「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定)
第2 Ⅰ. 3.(2) iv) ②林業の成長産業化
・これまで木造によることの少なかった建築物等の木造・木質化の推進に向けて更なる施策を検討する。

 

【木材活用ニーズへの対応】
改修前
(空き家)
改修後
グループホーム、
飲食店、
宿泊施設等

 

【既存建築ストックの活用イメージ】
木造建築物等に係る制限の合理化
戸建住宅等の福祉施設等への用途変更に伴う制限の合理化
○ 戸建住宅等(延べ面積200㎡未満かつ階数3以下)を福祉施設等とする場合に、在館者が迅速に避難
できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等とすることを不要とする。
○ 用途変更に伴って建築確認が必要となる規模を見直し(不要の規模上限を100㎡から200㎡に見直し)。
空き家等を福祉施設・商業施設等に用途変更する際に、大規模な改修工事を不要とするとともに、
手続を合理化し、既存建築ストックの利活用を促進。
大規模な建築物等に係る制限の合理化
○ 既存不適格建築物を用途変更する場合に、段階的・計画的に現行基準に適合させていくことを
可能とする仕組みを導入。
○ 新たに整備される仮設建築物と同様、既存建築物を一時的に特定の用途とする場合も制限を緩和。
既存建築ストックの多様な形での利活用を促進。
○ 耐火構造等とすべき木造建築物の対象を見直し(高さ13m・軒高9m超→高さ16m超・階数4以上) 。
○ 上記の規制を受ける場合についても、木材のあらわし等の耐火構造以外の構造を可能とするよう基
準を見直し。
○ 防火地域・準防火地域内において高い延焼防止性能が求められる建築物についても、内部の壁・柱
等において更なる木材利用が可能となるよう基準を見直し。
中層木造共同住宅など木造建築物の整備を推進するとともに、防火改修・建替え等を促進。
木造建築の推進

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