住宅新法について

平成29年6月6日、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が国会において可決されました。

同月16日に交付されました。公布日から1年以内に施行されます。

 

訪日外国人観光客は年々増加しており、その宿泊需要の受け皿として、住宅の全部又は一部を活用して宿泊サービスを提供する民泊事業が近年急速に普及しています。

 

民泊事業は従前これを正面から規制する法律がなく、旅館業法による規制にゆだねられていたが、

民泊事業に関する新たな法令の制定を施行して厚生労働省及び観光庁が主催する「民泊サービス」

のあり方に関する検討会」が発足し、平成28年6月20日に最終報告書を公表しました

 

新法はそれを踏まえて作成されています。

 

 

新法の趣旨・内容について

 

新法は、同法に定義する「住宅についてホテルや旅館とは異なる扱いをすることを決めました。

旅館業法の適用の範囲外とすることを認めたものです。

新法は旅館業法の特則であり、新法の要件を満たさない民泊事業は、従前通り旅館業法の適用を受けます。

 

新法では

1住宅宿泊事業

 

2住宅宿泊管理業

 

3住宅宿泊仲介業

 

の3つに分け、それぞれに規制を課しています

 

 

 

 

住宅宿泊事業について

住宅宿泊事業とは、①旅館業法上の営業者以外のものが宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業で

あって②人を宿泊させるに日数として省令で定めるところにより算定した日数が1年間で180日を超えないもの

いいます。

無償で人を宿泊させる行為は住宅宿泊事業にはあたらない。旅館業法5条のような宿泊制限規定はなく、

営業方針に沿わない宿覇者の宿泊を拒否することができるまた、住宅専用地域でも事業を行える。

 

①宿泊させる施設は「住宅」であることが前提とされている。「住宅」とは当該家屋内に台所、

浴室、便所、洗面設備その他生活の本拠として使用するために必要な設備がもうけられているものであって

現に人の生活の本拠として使用されている家屋又は従前の入居者の賃貸期間の満了後、新たな入居者の募集が

行われている家屋で、人の住居の用にともされていると認められているものをいう。

これに関する政府の見解は以下のとおりである

 

・省令において、常時滞在が可能なように維持管理されている別荘等を含める予定

 

・空き家でも適切な維持管理をしながら賃貸又は分譲のの募集等を行っていれば該当しうる

 

・民泊用に新築し入居者の募集が行われていない民泊専用マンションは該当しないが、賃貸や分譲を目的として

新築されたマンション等で借りてや買い手が付かず一時的に民泊に用いられる住居は該当しうる

 

「住宅」を宿泊のように供する住宅宿泊事業を旅館業法と区別する観点から180日の要件をもうけられた

当該期間制限が新法の最大の特徴であり、その内容によっては事業可能性は大きく変わる

そのため、当該日数の算出方法を定める省令の内容が重要となります。

 

これに関する政府見解は次の通りです。

 

・1泊は1日と数える(180泊まで可能)

なお、日をまたがずに退出しても1泊と数える

 

・実際宿泊客を泊めた実績日数を基準とする

 

・180日の期間は連続した日数期間とすることは不要

 

・特区民泊のような最低宿泊日数規制はない

 

・共同住宅の居室ごとに届出を行った場合居室ごとに

180日を数える